不調を経験してみた
10代でヨガにハマっていた私は 20代で独り暮らしを始めると、食事もヨガ的になっていった。玄米は炊く道具がなかったのと、当時手に入りにくかったことでなかなか試せなかったが。いわゆる身体に良いものを少しずつ取り入れた。体操は毎朝始めると とても気持ちが良かったので更にのめり込んだ。と いうことで、体調はすこぶるよかった。
結婚すると少しずつ理想の食生活から離れることになった。それでも自分で調整していたので体調はとても良かった。悪くなる理由がない、という状態だった。
ところがこれが周囲の人達の不調を理解できない状況を作った。つらいという話を聞くとマッサージをしたりや修正体操を教えたりするが、相手がどういう状態だからどうつらいのかが頭で理解しても体感的にわかるということは難しかった。そして夫は いつもどこか痛い苦しいつらいと訴えてくる人だったので、わかる範囲で対応するのだが、憶測でしかないし、「こんなにいつも具合が悪いというのはどういう感じなんだろう」と思っていた。さらに彼は治してあげると「治してもらえばいい」と、不摂生を続け、治し方を教えても実践するのは嫌なようだった。
結局のところ、自分の体は自分が一番よくわかるし、痛い、気持ちいいということも含めて体を動かすということは「自分の体の声を聴く」ということなのだ。だから、人にやってもらうだけでは必要なこともわからないし、施術している方も触って凝っていればほぐせるが、別の身体なのであくまでも「多分 ここをこう」という域を出ることは、実はない。マッサージなどは、本当は場所といい力加減といい自分でするのが一番いいのだ。筋肉の下とか裏側とかの筋の付け根などが傷んでいることもあるし、元気な人の手だと痛みを強く感じることもあるから。
今まで何度も繰り返してきたように、気が滅入るような夫のネガティブな話につきあっていたら、ある時期からだんだん「どんなものだか実際に体感してみよう」と思うようになった。そこで同じような食事をとり、同じようにゴロゴロして何もせず、TVを見る(私の場合ゲームをすると言うのも加わる)、という生活を続けた。少し誤算があった。ゲームが離せなくなったのだった。
やがて老化とゲーム依存が加わり、何年かすると私は順調に体調不良になっていったのだった。下腹は出てくるし、彼と同じように無気力になり何にも興味が持てない日々。仕事が切れたら次は見つからないし…。もうどうでも、何でもいい…。
ある時大きな夫婦喧嘩をして「家賃の節約のために同居はしても、生活はそれぞれ別にする。」ということになった。食事も居場所も。
食事を変える
ついにある時、そんな生活がバカバカしくなった。私は本来もっと好奇心旺盛で楽しく生きていたはずだし。やっぱり楽しく気持ちよく生きる方がイキモノとしてあるべき姿なのだろう。昔はいつも思っていた、「命の喜ぶように」と。今の私は逆に向かっている。還暦は人生一巡なのだから、ここらで元々の自分に戻るのもいいかもしれない。丁度食事も生活も別々になったし。掃除も元々始まれば徹底したい方なので、住まいはどんどんきれいになったし。やりたいようにやればいい。
そこで考えた。まずは食事を変えよう。無駄に量を食べず、昔のように野菜や魚、豆や海藻などバランスのとれた食事に変えた。落ちた筋肉を考えるならと魚や肉も入れてみた。
そういえば、1つ想定外のオマケがついていた。リュウマチである。ただの体調不良ではない。自覚したのは朝、手がこわばる感じがすること。指の関節が少し痛い。少し前から右足の裏の特定の場所が、骨が当たるように痛むことも気になっていた。ネットで調べてみたら、リウマチだと。
リウマチ?ババ臭い!この私が!…気がつけば60は立派にババなのだが。どうも自覚がない。確かに頭は白いが。30〜50代の女性に多いと言われても、もう私の固定観念がその名前に対してババ臭いと決めつけているのだ。そしてリウマチは投薬だと書かれている。一生薬を飲み続ける?それは無理。副反応怖いし。すぐ飲み忘れるし、目薬だってマウスピースだってすぐ忘れる。マメに通院も無理。複数の医療機関なんてめんどうなことは絶対無理。
そもそも、そう、私は10代でヨガにハマった。この時の本を書いた人のさらに先生が本当に何でもやる総合ヨガの様な方法を教える人だったので、私の医学書はその方のヨガの本だった。随分久しぶりに本棚から引っ張り出して調べると、リューマチには断食、と書いてある。この方は断食好きで、何かと断食を勧めることは知っていたけど、「神経痛とリューマチ」という項目で、「リューマチには断食、神経痛には修正体操がテキメンに効く」と書いてあった。そこではリューマチは「断食」としか書かれていなかった。
断食
断食の本当の、正確な方法を私はよく知らない。自己流でやったことはある。断食合宿というのに参加したこともある。でもいずれも2,3日で、水分はともかく流動食の様なものや汁物や麺類などをほんの少しずつでも入れていたので、1か月完全断食!というようなものには程遠く、あれは断食なのか絶食なのかよくわかっていない。愛用の本には「どうしても空腹に耐えられなければ蜂蜜を少しお湯に溶いて飲む」とか書いてあるし。
後から確認したら、別の本にとても詳しく書かれていた。体質や体調、状況に応じてやり方が違うので、自分の体調や状況をよくみて判断する、ということらしい。本来は2週間以上とか。
とりあえず、断食まではいかないけど 絶食でもしてみようと思った。なぜ絶食かというと、昔自己流でもやってみたことがあるから。その時は尾てい骨のさらに下の仙骨を痛めていた。痛みで寝返りも打てない。教習所に通っていたが車の乗り降りができない。腰を浮かせたまま横に移動することができなかったので。さらに引越しを一週間後に控えていた。何とかしないといけないわけにいけなかった。
その時1日 絶食して驚愕したのは翌日の朝だった。痛みが劇的に軽くなっていたのだ。ちょっと信じられないくらいに。おかげで3日間続けることができた。引越しに備えて体力も必要と考えて3日で止めたが本当はもっと続けて状況を確認してみたかった。
今回も少し前から食事の量も肉や澱粉も減らして野菜中心にしていた。これならいけるかなと、水分中心の生活に変えてみた。
中断
1日目、特に問題なし。朝の指のこわばりは激減し、足裏の痛いのもほとんどなくなった。2日目、少し頭痛がありふらつく気がするが、まあ食べてないのだからふらつくこともあるだろうと思っていた。
3日目の朝になると異変が起こった。だるさを押して起きたはいいが、数歩歩くとフラフラして立っていられない。2、3歩歩くのがやっとで、その度にしゃがみこんだり何かにつかまったりしないといられない。冷蔵庫から食卓までの3歩が歩けなくてうずくまり、立ってあと2歩…と思っているうちに一瞬意識を失って、頭から食卓の足に突っ込んだ。激痛で気がついたものの頭を抱えたまましばらく動けなかった。
その後も座っているのもつらく、あちこち移動しては横になって考えた。残念だけどここは中断した方がいいか。体が整っていなかったらしいけど、今までの食べ過ぎの分は少しは抜けただろう。何よりこの状態では何もできない。せっかくリュウマチも楽になったけど。まだ絶食の域も抜けていないけど。
…と いうことで、今回はここで一旦中断。体調を整えてからまた続きをしてもいいし、と考えた。
経過観察
その後は結局 断食には戻らず少しずつ食事をとりながら体調を見ている。
朝は今まで通り、バナナやカフェオレ、ヨーグルト等を摂り昼はなるべくしっかり食べる。夜は主にサラダを少量摂るようにしている。
リュウマチについては、私の場合 夜の食事の影響が大きいようだ。味噌汁なら2杯でも、2個パックの豆腐1つ、サラダ(ゆで卵1個つきはOK)だけ、といった食事にすると翌朝の症状がかなり軽い。しかし ご飯1膳とみそ汁と納豆とサラダ、といった食事では翌朝の症状が重くなる。
体は正直で、どんなに暑い日でも28℃くらいでエアコンを入れ、扇風機を回していれば暑さは感じない。そのエアコンも1人の時は切ってしまう。建物の造りもあるとは思うが、耐えられないことはない。
夜はエアコンを入れたままだと、明け方は寒いくらいである。それでもたまに小さなヒレカツの3個パックなどを買ってしまうと、1つでも食べた夜は背中の辺りがとても暑くなるので、食事は体温にも大きく影響するんだなあ、と痛感している。また、夜に多めに食事を入れてしまうと、翌朝はリュウマチの症状がきつくなる。
さらにもう一つ。肉や澱粉を食べ過ぎていた頃は排せつ物の匂いがやたらときつかった。それを減らしたら、便の匂いは昔懐かしい、子供の頃のような匂いに戻った。ただし尿はなぜかまだ匂いがきつい。運動不足が影響しているのかもしれないと考えている。ガスもかなり匂いは少なくなったと思う。この、ガスについては、昔一時期嗅覚を失って片方の鼻の神経が壊れた時から、どうも匂いを感じにくくなっている気がする。相当匂いが強くなければ感じていないかもしれないと思うので、残念ながらあまり信用できない。老化は命に影響のないところから、少しずつ機能を手放すのかもしれないと考えている。それでも一時期と比べれば、ずっと匂いは少なくなっていると感じている。
今後について
まずは運動を少しずつでも再開しないといけない。その最大の障害であるゲーム依存を乗り越えることができるのか…?もテーマの一つである。これができれば今の私の人生の問題は大半が解決できるとも思っているのだが…。やはり自分の敵は自分なのだ。変わってしまった自分を立て直すことができるのかは今の時点では自分自身でもわからないところではある。継続して視ていきたい。
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